繰り返すセコイズム。

せこくつつましく、セコ充を目指してセコ活をしています。

Amazonプライムでアジア映画(8)29歳問題(香港)

アジア映画が好きである。Amazonプライムの特典には、香港(主にアクション)や韓国の映画はいろいろあるけれど、他の地域のアジア映画をどのくらい見ることができるのか、これは外出自粛を実行しつつ、セコ充を目指してセコ活しがいのあるテーマである (※2020年6月時点のAmazonプライム特典視聴情報です)。

香港映画と言えば、アクション映画というイメージが強く、実際にAmazonプライムでアクション映画を探すのはたやすいのだが、アクション以外となると、なかなか難しい。

というわけで『29歳問題』(2017)である。明らかに、女性向けに、そして、この邦題(原題は『29+1』)からも分かるように、特定の年齢層を狙っているかのような映画である。30歳を目前に迎えたひとりの女性・ヨックワンが、仕事に悩み、恋人との将来に悩み…というところから話は進んでいく。仕事も順調、友人とも楽しく時間を過ごし、恋人とも順調…と思いきや、そうした順調を絵に描いたような階段から降りることとなる。どこかで聞いたことのあるような話であるが、裏を返せば、どこの国でも女性にとっては30歳…というか、20代との別れが1つの区切りなのだろう。それは1つの普遍的なテーマなのだから、どこかで聞いたことのあるような話になってしまうのは仕方がない。

私のようないい歳のおじさんが見るには、何だか場違いな映画である。 もしもこれが映画館であれば、残念ながら、私の存在は浮いてしまうだろう。

29歳問題(字幕版)

29歳問題(字幕版)

  • 発売日: 2019/03/02
  • メディア: Prime Video
 

人生の階段からちょっと降りてひと休みしたヨックワンは、旅行中で留守にしている女性・ティンロの部屋を仮住まいのアパートとして暮らすこととなる。そして、ヨックワンは、ティンロの残した日記や自撮りのビデオを通して、彼女が自分と同じ年の同じ誕生日に生まれた女性だと知ることになる。ビデオや日記から伝わってくるハッピーそうなティンロは、ヨックワン自身の生きてきた道とはまったく違っているわけだが、そこで彼女は「幸せとは何か?」ということを、ちょっと立ち止まって考えることになる。これまたどこかで聞いたことのあるような話であるが、いったんリセットして生き方を見つめ直すこともまた、普遍的なテーマである。私自身も、いつも生き方を見つめ直している。見つめ直しすぎると、リセットするポイントを見失うので、かえって困りものだ。見直しもほどほどにしたいものだ。

この映画が面白いのは、ヨックワンとティンロの交流が、最後はファンタジーっぽく描かれることだ。大人の女性らの葛藤を、深刻になりすぎず、軽やかに仕上げたところに好感を持つことができた。

(また見たい度(★1~5) ★★)


香港映画『29歳問題』予告編