繰り返すセコイズム。

せこくつつましく、セコ充を目指してセコ活をしています。

Amazonプライムでアジア映画(1)ジャイアント・チリペッパー(タイ)

Amazonプライムでアジア映画を見るのであれば、中国、香港、韓国あたりの作品を探せばいろいろ出てくるのであるが、ここはちょっと趣向を変えて、他の国に検索の範囲を広げてみることにしたのである。Amazonプライムの特典の中で、どれだけアジア映画を見ることができるのだろう。これこそ、ステイホームを具現化しつつ、セコ充を目指してセコ活しがいのあるテーマである。(※2020年5月時点のAmazonプライム特典視聴情報です)

 

まずは、バンコクに想いを馳せつつ、タイの空気が詰まったような映画を…と、最初に選んでしまったのがジャイアント・チリペッパー』(2009、タイ)というアクション映画だった。物語の舞台も、今では「世界一下品なビーチ」なんて呼ばれるパタヤなのだった。バンコクの空気を味わうなんていう、のんきなことを言っている場合ではない。そもそもAmazonプライム特典でタイの映画はほとんど選択肢がなかったにせよ、よりによって、最初の1本に選ぶべき映画ではなかったかもしれない。見始めてから数分で、そんな後悔が頭をよぎってしまった。 

物語は、巨体のファラン(タイでの欧米人・白人の呼称)の男がパスポートを盗まれ、ムエタイ使いの姉妹と出会い、ソムタム屋を営む彼女たちの家にお世話になるところから始まる。この白人男は、体格はいいけど、喧嘩はめっぽう弱い。おまけに、辛いものを食べると人格が変わって狂暴化する。ソムタムを食べたら、あまりの辛さに暴れ出して、お世話になっている姉妹ら家族の店を破壊してしまうのだった。とんでもないポンコツである。このポンコツ男をコミカルに演じるのは、元格闘家のネイサン・ジョーンズ

そして、姉妹と白人男はソムタム屋を立て直すためにあれこれ奮闘するのだが、宝石強盗団のトラブルに巻き込まれ、姉妹はピンチに陥り…といった王道展開が待っている。悪の一味と対決する少女のムエタイアクションとネイサン・ジョーンズの体を張ったプロレスアクションがあり、悪の一味を倒して店を立て直し、姉妹ら家族と白人男のほのぼのとした交流が描かれ…と、なんだかんだでけっこう楽しみながら見終えてしまったのだった。

タイの原題は『ส้มตำ(ソムタム)』で、身もふたもない感じなのだが、邦題『ジャイアント・チリペッパー』は、バカバカしさとすれすれのところでの、なかなか絶妙なタイトルだった。

(また見たい度(★1~5) ★)