繰り返すセコイズム。

せこくつつましく、セコ充を目指してセコ活をしています。

Amazonプライムでアジア映画(21)百日告別(台湾)

アジア映画が好きである。Amazonプライムの特典で、どれくらい自分好みのアジア映画を見ることができるのか、外出を控えつつ、自宅でセコ充を目指してセコ活しがいのあるテーマである(※2020年9月時点のAmazonプライム特典視聴情報です)。

 

前回に続いて、今回も台湾映画から。この映画もまた、2020年9月19日から新宿K'sシネマで開催される台湾映画祭のラインナップにも名を連ねている。2015年の作品。

百日告別(字幕版)

百日告別(字幕版)

  • 発売日: 2017/07/19
  • メディア: Prime Video
 

前回紹介した青春映画『藍色夏恋』からがらりと雰囲気を変えて、シリアスな作品。ひとつの巻き込まれ事故によって、妊娠中の妻を失った男と、結婚間近の婚約者を失った女を描く。ひとことで言うと、喪失と再生の物語だ。ありきたりなテーマかもしれないが、仏教の法要の年忌に沿って、丁寧に描いていく。

女は、婚約者とともにレストランを開くという未来があり、ふたりで新メニューを探すために行くはずだった沖縄の島を一人で巡る。男は、ピアノ講師をしていた妻の生徒たちに月謝を返金するため、彼らの家々を探し歩く。ふたりともに、深い喪失感で自死に手が届きそうなスレスレのところまでいってしまうのだが、ふとした小さな出会いで再生のきっかけを見つけることとなる。男は、かつての妻の生徒とのなにげない会話から。女は、婚約者の恩師と会って、かつて彼がどのような子供であったかを知る。一方が生徒から、もう一方が恩師から…という対比も面白い。

自分がよく知っていると思っていた相手の別の一面を、第三者の口を通して語られることによって、より深く相手を知る。ささやかなことの積み重ねから、じわじわと深みを増すドラマだった。

(また見たい度(★1~5) ★★★) 


映画『百日告別』予告編