繰り返すセコイズム。

せこくつつましく、セコ充を目指してセコ活をしています。

正義の引用、フェイクの拡散

「#検察庁法改正に抗議します」というハッシュタグは大きな世論を作り、今国会の法案成立が見送られ、さらに、渦中の黒川弘務検事長が外出自粛期間の賭け麻雀をスクープされて退任…という意外な幕切れでいったんは決着を見た。

と思ったら、その一方で、指原莉乃さんが「#検察庁法改正に抗議します」のハッシュタグを広めなかったことが、称賛されたりあれこれと揶揄されたり、そこへラサール石井さんが乱入して場外乱闘の様相を呈してきて……といったことは、実はあまり興味がない。ただひとつ、報道された指原さんのコメントとして「ツイッターですごく簡単な相関図とかが拡散されて、ここまで大きくなった。本当にそれを信じていいのか」というのは、今回のハッシュタグの件は抜きにしても、冷静な物言いだと感じた。今回の新型コロナにまつわる情報に限らず、Twitterにまとわりつく「違和感」を、あらためて言葉にして表明してくれたように思う。

Twitterでは、しばしば、出所不明の画像がペタっと引用されて、引用した当事者の印象がひと言添えられるケースが多い。そうした「画像だけ」の引用と拡散は、本当に怖いと思う。最近だと、あおり運転殴打事件で「ガラケー女」に間違われてしまった女性の顔写真の拡散が記憶に新しいところ。とくに、自分が「正義」の立場に立っていると錯覚できるような引用は、拡散のスピードが早い。

 

指原莉乃さんが見た相関図はこれではないはずだが、この相関図がTwitter上で拡散されているのをよく目にした。

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出所不明だが、作成者はツッコミどころが多いのを承知で作ったはずだ。相関図の「間違い探し」をされる速さよりも、この相関図の「正義」が拡散されるスピードの方が速いのだから。

それから、ヨーロッパに新型コロナが感染拡大しはじめた頃から、Twitter上で毎日のように目にしていた画像。

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これは明らかなフェイクで、この画像を自身のTwitterに貼り付けていたタレント某は、現地に住む日本人から反論されて赤っ恥だった。Twitterのお手軽さお気楽さが、かえって墓穴を掘るということをあらためて教えてくれた。彼のおかげである。

 

Twitterは、情報を素早く収集したり広げたりという「功」の面がある一方で、フェイクニュースをフェイクと思わずに安易に引用し、容易に拡散できるという胡散臭い「罪」の面もあることを、今回、新型コロナで始まった一連の騒動の中で、あらためて実感している。

Twitterに限らず、ネットで情報を探したり読んだりしていれば、情報の印象操作の功罪は切っても切り離せない問題だけれど(そもそも検索結果の順位付けからしてそうなのだから)、ことTwitterは拡散のスピードが速すぎるので、これはもう、そういうものだと思って付き合っていくしかない。自分も「リツイート」といった引用行為には、より注意を払わなければ。そう肝に銘じながら。