Amazonプライムでアジア映画(22)ローサは密告された(フィリピン)
アジア映画が好きである。Amazonプライムの特典で、どれくらい自分好みのアジア映画を見ることができるのか、外出を控えつつ、自宅でセコ充を目指してセコ活しがいのあるテーマである(※2020年10月時点のAmazonプライム特典視聴情報です)。
2016年のカンヌで女優賞を獲った一本なので、よく知られた作品なのかもしれない。ストーリーはといえば、マニラのスラム街で雑貨店を営むかたわら、クスリを売っていることを密告されて夫婦で逮捕されてしまい、彼らの子どもたちが保釈のためのお金を作ってくる…という、シンプル極まりないものだ。そのシンプルなストーリーの2時間弱を緊張感たっぷりに見せるのだから、たいした作品だ。カメラワークに詳しいわけではないが、とても臨場感にあふれていて、まるで自分が「その場」にいるような気分にさせられるような緊迫感を強いられる。
とにかく、みんな口を開けば金、金、金、少額のお金のだろうがなんだろうが、金、金、金。それから、足の引っ張り合い。ローサは密告をされて逮捕されたわけだが、彼女自身も売人を警察に密告している。「カンヌ女優賞」という御威光を抜きにしても、主人公ローサの静かな切迫感、焦燥感を見事に体現した彼女は素晴らしい演技っぷりで、カメラワークともども映画に緊張感を与えていて、目が離せなかった。
(また見たい度(★1~5) ★★★★★)