繰り返すセコイズム。

せこくつつましく、セコ充を目指してセコ活をしています。

箇条書き美術展めぐり あるがままのアート 人知れず表現し続ける者たち(東京藝術大学美術館)

久しぶりの上野。久しぶりすぎて、上野駅の公園口の出口が分からなくなってしまった。 それもそのはず、3月20日に公園口は移設されて生まれ変わっていたのだった。3月から新型コロナの感染拡大で上野の博物館美術館などは休館になってしまったものだから、改装後の公園口を使うのは初めてのことだったのだ。改札を出てすぐの横断歩道がなくなり、そのまま上野公園内に入ることができて、なかなか良い感じ。

東京藝術大学美術館の企画展。無料。そして、日時指定予約制。新しいなんちゃらという様式に沿って、今やもう、予約制は美術館のスタンダードになりつつあるようだ。

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NHKの番組「人知れず 表現し続ける者たち」とタイアップした企画展で、いわゆる「アール・ブリュット」とか「アウトサイダー・アート」と呼ばれる、正規の芸術教育を受けていない人たちが生み出すアートがずらりと並ぶ。

  • 障害とともに生きる人たちの作品も多く、彼らは生活する上ではハンディキャップはあるだろうが、創作において煌めくような才能を発揮する。細密な画を描いたり、刺繍や切り紙などの細かい作業を粘り強く続ける才に長けている。すごい。
  • アート作品を見る側にとって、理論とか何とか小難しいことは時として要らないよな…と思ってしまう。ストレートに心に響く…というか、驚きである。
  • 会場は一部を除いて撮影OK。他にももっと載せたかったけど、できれば実際に会場に足を運んで見ていただくと面白いかもしれない。リピート訪問したい。

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山際正己「正己地蔵」

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林田嶺ー「上海郊外スコットロード街の、とある喫茶店の窓から見た*村兵曹長の片翼で帰還する陸軍機の機影と店内風景」

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林田嶺ーは幼少時の戦争体験をポップアート風に描く。作品は東京国立近代美術館にも所蔵され、いわばアウトサイダーアートの第一人者的な作家。

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澤井玲衣子のペインティング作品。軽やかな線描。

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今村花子のペインティング作品。厚塗りで力強い色彩。

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こちらは川上建次のペインティング作品。

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高田幸恵の刺繍作品。

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藤岡祐機は鋏で紙を執拗なまでに細かく刻み、不思議な造形の命を吹き込む。

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渡邊義紘も、超絶技巧の切り絵で紙に命を吹き込む。

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渡邊義紘「折り葉の動物たち」

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紙で作られた動物の群れは、今にも駆け出しそうだ。