インスタントでアジアンフード(7)ガパオ
今回はインスタントフードらしいインスタントフードである。カルディコーヒーファームで買ってきた、パウチのガパオだ。ようやくやる気を出して、インスタントフードらしいインスタントフードを作る気になったのである。インスタントフードにやる気なんて関係ないだろうという、無粋なツッコミはやめてほしい。
私が初めてタイに行ったとき、いちばん最初に口にしたものが、ガパオライスだった。タイ国内線に乗り換えるため、早朝のスワンナプーム空港からドンムアン空港にシャトルバスで移動し、空港近くのタイ国鉄の駅前食堂で朝食をとったのだが、そこでガパオライスに出くわした。私はメニューの写真を指差しながら、カオパットタレー(シーフードチャーハン)を注文し、店のおやじも笑顔でOK!と答えたはずだったのだが、目の前に現れたのは、チャーハンとは似ても似つかない、ガパオライスだった。しかも、激辛の。「メニューが違いますよ!」という交渉も、言葉の壁があるのでわずらわしく思い、まあいいかと、目の前の激辛のガパオを汗だくになりながら食べたのは、良い思い出である。これがアウェーの洗礼なのか、油断できないぜタイランド…と思ったりもしたものだ。
そういうこともあって、ガパオライスにはトラウマ……いや、素敵な思い出がいっぱいなのだ。
パウチを温めてご飯にかけて、目玉焼きを乗っければ、はい、ガパオライスの出来上がり。が、しかし、やっぱり思い出のガパオからは遠い味だった。辛くない。また、日本のお米は、ガパオライスに向いてないのかもしれない。べちゃっとしてしまう感じがする。