繰り返すセコイズム。

せこくつつましく、セコ充を目指してセコ活をしています。

インスタントでアジアンフード(14)ブン・オック、再現できるかな

ハノイで食べたタニシの麺、ブン・オック(Bún ốc)。どうにかして、自分でもブン・オックを再現できないものかと思い、いろいろ買ってきたのである。カルディで売っていた「ディルスープ」なるものが、貝のエキスをベースにしているというから、タニシも同じ貝であるし、もしかしていけるんじゃないか?という淡い期待を持ちながら、作り始めたのである。

しかし、残念ながら、近所のスーパーでタニシは売ってないし、セブンイレブンで売っていた「あかにし貝」なるもので代用。

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ドンキのブン、7-11のあかにし貝、カルディのスープの素とパクチー

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残念ながらセブンイレブンでタニシは売っていなかったので、あかにし貝で代用。

ブンを茹でで、冷水で湯切り。ディルスープであかにし貝を軽く煮て、スープをつくる。「そういえば、ブン・オックはトマトの酸味が強かったよなあ」ということを思い出し、ミニトマトをどんどん投入する。

どんぶりに湯切りしたブン、そこにスープをかけて、はい完成。見た目は何となくいいじゃないか。

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見た目は、何となくそれっぽいぞ!しかし、当然ながら、味はやっぱり違う。

…と思ったものの、上品な味に仕上がってしまい、似て非なるものなのだった。ハノイの路上で食べたのは、もっとトマトの酸味が効いていて、タニシの独特の臭みとのコラボレーションが、だんだんとクセになっていく感じだった。カルディのスープの素で作ったのだから、まあ、仕方がない。これはこれで、味付けを間違えようのない、それなり美味しいブンになったのだった。

こちらは、ハノイの路上で食べたブン・オック。ホテルの近くの Bún ốc sườn というお店だった。地元の人たちで賑わっていたので、きっと美味しいのだろうと思って、ひとり飯。揚げパンも一緒に出してくれるので、みんなの真似をして、汁にひたしながらパンを食べたのだった。

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Bún ốc sườn。タニシは独特の臭みがある。

箇条書き美術展めぐり 箱根・岡田美術館で若冲展

密を避けて、箱根である。

岡田美術館に何年ぶりかの2度目の訪問。岡田美術館といえば、パチンコパチスロ業界大手のユニバーサルエンターテインメント系列の私設美術館で、会長・岡田和生氏の蒐集したコレクションは立派なもの。とくに陶磁器のコレクションは膨大だ。60年間行方不明だった喜多川歌麿の大作「深川の雪」が発見され、岡田美術館の所蔵になった時は話題になったものだった。その歌麿を見に行った時以来の訪問だった。

伊藤若冲作品も7点所蔵していて、今回は全7点を展示するというので、足を運んでみた。(2021年3月28日まで)

www.okada-museum.com

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全5フロアの重厚な美術館。じっくり見たらほぼ1日、ささーっと見ても2~3時間。密を避けすぎたせいか、ほとんど人の姿がない。

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美術館には足湯も併設。新型コロナ影響か、人の姿もなく…

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バスが来るまでの時間、足湯を満喫したのだった…。

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壁面には宗達風神雷神図」の巨大な複製が飾られているが、ガラスに映り込むは、大きすぎるわで、写真に上手く収めることができず、悶々とする。

香港クライシスについて考える3冊

新型コロナの感染拡大、そして、6月の香港国家安全法の施行以降、香港の民主化デモには逆風が吹きまくっている。新型コロナの拡大防止を理由に集会は禁じられ、選挙も延期されて民意を問う機会は失われた(9月)。さらに、香港独立を支持する民主派議員4人の資格剥奪があり、それを受けて民主派議員15人が抗議辞任を表明(11月)。一方、国安法によって、8月には日刊紙アップルデイリーの創業者・黎智英(ジミー・ライ)が逮捕され、そして今月には、日本のメディアでもなじみのある、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)や周庭(アグネス・チョウ)らの民主活動家が実刑判決で禁固刑に処せられた。香港の民主派は、今や、他国からの中国共産党への干渉に期待するしかないというくらい、打つ手がなく、追い込まれているのではなかろうか…

そういうわけで、東京ドキュメンタリー映画祭の特集上映「香港クライシス」に合わせて読み溜めていた香港関連の本から、2020年に発売された3冊。

言論の不自由: 香港、そしてグローバル民主主義にいま何が起こっているのか

つい先日、「警察本部を包囲するよう抗議者に呼びかけた」という理由で禁固刑の実刑となってしまった黄之鋒(ジョシュア・ウォン)の著作。内容は3部構成で、中学生時代に「学民思潮」を立ち上げてから当時の「国民教育」の改悪を撤回させた頃の自伝、収監体験を綴った獄中記、そして、北京政府への批判と香港の未来を憂う「世界の民主主義に対する脅威」。

黄の「だからこそ、ぼくは今、あなたがたに協力を要請しているのだ」「どうかまだ香港から手を引かないでほしい」という共闘を訴えかける言葉も、それでもまだ香港の「政治的成熟の達成」を信じる言葉も、今は悲痛な叫びに聞こえてならない。

香港はなぜ戦っているのか

24歳の黄之鋒に対して、こちらは御年84歳の文筆家・評論家の李怡による著作(年齢は2020年12月時)。主に、民主派系の日刊紙アップルデイリーに書かれたエッセイで構成されている。2012年、2013年頃から、香港がじわじわと中国大陸に侵食されはじめていることに、繰り返し警告を鳴らし続けている。粉ミルクの買い占め問題、香港へ越境入学する双非児童問題、大陸側の人間にビルを爆買いされて高騰し続ける住居問題といった問題を提起し、中国は「物質主義」や「道徳の崩壊」におぼれ、中国自身で自分たちの良いところを捨て去ってしまったと嘆く。

しかし、若き黄之鋒が『言論の不自由』でほとばしるような言葉でアジテーションをぶち上げているのに比べ、李怡の言葉からは「いつかそのうち大陸に飲み込まれるだろう」という諦観が垣間見えるのは、文筆での戦いもすでに晩年に差しかかった、年齢的なせいなのだろうか。

香港はなぜ戦っているのか

香港はなぜ戦っているのか

 

香港デモ戦記

2020年5月に発売された本なので、香港国家安全法施行や新型コロナの影響もなく、今となっては、「絶対に、沈黙しない」という帯とともに使われているアグネス・チョウの写真が、ちょっと悲しい。

とはいえ、雨傘運動からの流れから2019年の市民デモまでを振り返るには、コンパクトにまとまった1冊。それから、日本では「民主派」とひとくくりで報道されるけれど、香港の民主派といってもいろいろな派閥があるよ…ということを分かりやすく解説してくれる。

香港デモ戦記 (集英社新書)

香港デモ戦記 (集英社新書)

  • 作者:小川 善照
  • 発売日: 2020/05/15
  • メディア: 新書
 

アジアンドキュメンタリーズで見る「香港」、そして「メイド・イン・ホンコン」

新宿のK'sシネマでは、東京ドキュメンタリー映画祭が開催されている(2020年12月5日~12月11日)。今日は特別上映の「香港クライシス」の2本の作品、關震海(カイ・シンカイ)監督の『中大防衛戦』と、堀潤監督の『STAND WITH HK』を見ることができた。

tdff-neoneo.com

とくに『中大防衛戦』は、2019年11月の中文大学での学生たちと香港警察の衝突の最前線を追いかけ、攻防戦の舞台裏的な緊迫感にあふれていて見ごたえがあった。攻防の最中、前線の学生側も統率が取れていたとは言いがたく、その混乱も含めての生々しさがあった。

と、前置きはここまでで、私が定額制で視聴しているアジアンドキュメンタリーズでも、香港の市民デモに関する作品を見ることができる。

asiandocs.co.jp

asiandocs.co.jp

『乱世備忘』は2014年の雨傘運動を追いかけた映像。2019年の香港デモを経た今、この作品を見ると、なんと平和的な空気なんだろうかと隔世の感を強めざるをえない。まるでピクニックにでも行くような雰囲気で、デモに参加している市民の顔にも笑顔がある。警察も、物々しい装いではなく、「顔の見える」警官の姿だ。正直なことを言うと、見ていて欠伸が出てしまったのだった。

そして『香港革命2019』。こちらは『中大防衛戦』にもつながるような、主に前線で体を張って戦う「勇武派」の姿をとらえた作品。同じ市民デモでも、たったの5年でこうも様相を変えてしまうとは…。香港の若者らをじわじわと追いつめてきた、中国共産党の影響の大きさを感じないではいられない。

そして今、1997年の1本の香港映画『メイド・イン・ホンコン(香港製造)』(フルーツ・チャン監督)を思い出す。中国返還直前の香港を舞台にしたこの映画は、行き場をなくした若者らが悲劇的な最期を迎える。

サム・リー演じる主人公の「今俺たちは幸せだ。未知の世界に来たから。そこに恐怖はない」という最後のモノローグの「恐怖」とは何だったのか。彼自身が「香港」の暗喩だったのか。公開から20数年後を経た今、1997年の迫りくる中国を目の前にしたこの映画を見ると、これまた胸に突き刺さるものがある。私の考えすぎだろうか。すべては杞憂にすぎないのだと思いたい。

インスタントでアジアンフード(13)かけるだけでルーロー飯

麺線につづいて、またもや台湾から。こんどはファミマの魯肉飯(ルーロ-ハン)である。これまた、かけるだけだ。おまけに、ご飯もインスタントだ。いずれもレンジでチンするだけで、料理とは呼べないレベルであるが、気分だけは、もう、台湾だ。

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電子レンジでチンするだけなので、作る過程は省略。ご飯も具材もチンして、4分くらいで完成だ。あれっ、見た目は、なかなか美味しそうじゃん?

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ひとくち食べれば、口の中に広がる台湾の薫り、まぶたに浮かぶ夜市の風景。ちゃんと「魯肉飯」している。

半熟たまごを乗せてみる。いや、あえて乗せなくても良かったかな、うん。

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こちらは、台北龍山寺近くの「四方阿九魯肉飯」。クセがなくて食べやすい。たぶん、八角の香りが苦手な人も大丈夫…と思う。

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魯肉飯には、半熟たまごではなくて、煮たまごだよな。四方阿九魯肉飯は、味付けが優しく、だいたい食べやすかった。あー、台湾に行きたい。

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